お客様の中に、便秘を訴える方が多くおられます。
「毎日バナナを食べているのに出ない。」とか、
皮膚疾患がひどくて、「乳製品を控えてください」というと、「便秘がひどいので、毎日ヨーグルトはかかせない。」などと言われる方もおられます。

バナナは肺、脾、胃、大腸に帰経し、清熱、潤肺、通便、解毒の効果がありますが、寒性食品です。
基本的に南の方で採れるものは、身体を冷やします。
すいか、柿、キウイフルーツも冷やします。
大腸に熱をもっていて、便秘の人には良いのですが、冷え症の方の便秘には効果がないだけではなく、ますます冷えてしまいます。

便秘を治すには、

1. 腸内における便の滑りを良くすること
2. 腸の動きを活発にして、押し出す力をつけること
3. 便秘薬を毎日飲んでいる方は便を形成する菌の少ない人もいます。食べ物自身がもっている、温める性質と冷やす性質を理解して食べ物を使い分けます。
4. したがって、便秘薬にも使い分けが必要です。

便秘のいろいろ

1. 味の濃い物や、辛い物、温性の強いものを食べ過ぎるとおこりやすい。
   1. 大便が乾燥して硬くなっている。数日間出ずにいるため、お腹や胃の周囲が張って苦しい。
   2. 口臭がする。口が渇く。尿は黄赤色で量は少ない。
   3. 食物：通便作用があって熱を冷ますような食材を選ぶ。
   4. バナナ、すいか、メロン、かき、梨、ほうれん草、きゅうり、レタス、セロリ、なす、他
2. 心配事があったり、感情の起伏が激しかったり、旅行など環境が変わると起こりやすい。
   1. お腹が張り、ガスやゲップがよくでる。ひどくなるとお腹が張って痛みがあり、ガスやゲップが出ると痛みは軽減する。
   2. 食物：通便作用があって気の流れが促進される食材を選ぶ。
   3. だいこん、紫蘇、薄荷、仏手柑　など
3. 老人や虚弱体質者、慢性病、産後や栄養不足によって、排出する力が低下した為におこる。
   1. 顔色が悪く、唇はつやがなくカサカサしている。元々元気がなく疲れやすい。便意があって
   2. トイレに入るが、なかなか出ない。排便後に疲労感がある。
   3. 食物：通便作用があって、体力をつけ、血や体液が増加し、便の滑りを良くする食材を選ぶ。
   4. あんず、いちじく、りんご、ほうれんそう、ごま、松の実、くるみ、落花生、栗、蜂蜜　他
4. 自分自身を温めるエネルギーが不足していたり、冷たいものをとりすぎていたり、仕事柄寒い場所にいる事が多い為に、冷えて腸の働きが低下し排出困難になる。
   1. 寒がり、手足が冷たい、夏でもクーラーに当たるのを好まない、尿の量は多く、色は透明で澄んでいる。
   2. 食物：通便作用があって、体を温め腸の働きを高めるような、辛味の温性の食材を選ぶ。
   3. ねぎ、ニラ、かぼちゃ、菜の花、香辛料、あたたかいもの全般
5. 潤し栄養する作用をもつ血が不足するために、腸内が乾燥しておこる。
   1. 大便が乾燥している。顔の色つやが悪い。めまい、どうき、物忘れ、耳鳴り、のどの乾燥感がある。口や爪の色が淡白
   2. 食物：補血作用のある物を食べて、腸の潤いを高める。
   3. しいたけ、可首烏、枸杞子、桑の実、豚の心臓、羊肉、なまこ　など

御自分に思い当たるタイプがありましたか？
腸内細菌は菌だから有る程度増えたら、自分で増えていってくれます。
それでだめなら、　漢方の便秘薬を上手に使い分けてみましょう。