漢方コラム
五味の調和
「先天の精」とは親からもらった基礎体力のこと、
「後天の精」とは飲食物から得られるものです。
丈夫に生まれた人と、弱く生まれた人。持って生まれた体質は、さまざまですが、丈夫な人でも睡眠不足、暴飲暴食をすると、病気になってしまいます。
弱い人でも規則正しい生活をし、食生活に気を付けていれば、健康に長生きできることがわかってきました。
中国の、春秋戦国時代(紀元前770~221年)に書かれた≪黄帝内経≫の中に
- 「食物の五味は必ず調和しなければならない、もし偏ったら様々な疾病を引き起こす。もし、五味が調和し、飲食が適切ならば、健康を保ち、長寿になることができる。」
- 「夏は早く起きて、遅く寝る。・・冬は遅く起きて、早く寝る・・」
- などと書かれています。
五味とは食物本来持っている味と、その食物の持っている性質この二つの概念から「食性」として説明されます。
- ① 辛(しん):からさ
- 邪気を散じ、気、血を通じる作用がある。肺経にはいる
- 寒性風邪に 葱 生姜 ニンニクなど
- ② 甘(かん):あまさ
- 補脾、気や血を補し、痙攣を緩解し、体内各臓器を潤すことができます
- 産後の体虚にもち米、紅なつめ、蜂蜜など
- ③ 酸(さん):すっぱさ
- 収斂し、引き締める、止瀉の作用があります。
- ④ 苦(く) :にがさ
- 健胃、清熱、吐瀉、排泄し、湿を乾燥させる作用があります。
- ⑤ 鹹(かん):しおからさ、つまり、塩気の強さ
- 補腎、養血、軟堅(しこりを柔らかくする)、
- 乾燥している宿便を柔らかくして排泄する作用があります。
辛、甘、酸、苦、鹹 それぞれの中に寒性と温性 平性の食品があります。
毎日バランス良く食べて、適度に運動することが健康の基本です。
高価な薬を飲んでも、食生活が成っていなかったら、効果がなかなか出ません。
ストレスのない人はいないと言われる時代です。
何かあった時に薬の効く身体にしておくことが大事です。
日々 元気で暮らしたいものです。